保育園に通い始めると、子どもたちはお友だちとの関係を築き始めます。これは良い刺激となる一方で、お友だちとの関係に悩みが生じることもあります。そんな中でよく見られるのが「噛み癖」です。お友だちをかんでしまったり、逆に噛まれたりしてしまった経験があるかもしれません。筆者も我が子の噛み癖で悩んだ時期がありました。今回は、私の体験談と子どもの噛み癖にどう対処するかを詳しくお伝えします。
目次
噛み癖とは
噛み癖とは、物や人を噛んでしまう行動のことを指します。特にまだ言葉でうまく伝えられない乳幼児に多く見られる行動です。赤ちゃんや小さな子どもは、物や人を噛むことで世界を知ろうとするところがあり、これ自体は発達の一環ともいえます。
噛み癖はいつから始まるのか?
噛み癖は、一般的に1歳前後から始まり3歳ごろまで続くことが多いとされています。この時期はまだ言葉で感情をうまく伝えることができず、欲求を示すために噛むことがあります。
子どもが噛んでしまう理由
子どもが噛む理由にはさまざまな背景があります。以下に、いくつかの例を挙げてみます。
遊びたい時
こどもがテンションが上がったり、お友だちともっと遊びたい気持ちが溢れた時に、噛んでしまうことがります。楽しい気持ちを伝えたかったのに、相手に驚かれたり嫌がられたりして、しょんぼりすることもあります。
暇な時
おもちゃがない、あやしてくれる人がいない、といった状況では、こどもは手持ち無沙汰になり、つい噛んでしまうことがあります。お散歩前の待機時間など、退屈している時に噛んでしまうことも。
甘えたい時、構ってほしい時
指しゃぶりの延長として、身近な人を噛んでしまうことがあります。特に眠くなると、手や服を噛んだり、お気に入りのぬいぐるみの代わりに人を噛んでしまうことがあります。
怒っている時
おもちゃを貸してもらえなかったり、何かを我慢しなければならない時など、思い通りにいかないと噛んでしまうことがあります。まだ言葉で意思を伝えるのが難しいこの時期、噛むことで自己表現をしようとします。
噛んでしまった時の対応
まず、冷静に子どもに対して「噛んではダメだよ」と伝えることが重要です。大きな声で叱らないよう心がけ、穏やかな声で説明しましょう。噛まれた子どもにも優しく声をかけて、痛みや不快感を感じたことを理解させることが大切です。
対応のポイント
- 噛んでしまった理由を考え、感情や状況を理解しようと努める
- 「噛むことは痛いよ」ということを具体的に伝える
- 次回はどうすればよいのか、他の方法を教えてあげる
噛まれてしまった時の対応
噛まれてしまった側も、冷静に対応することが大切です。まずは「痛かった」と伝え、その後相手がなぜ噛んだのかを確認します。状況を理解し、こどもを責めるのではなく「噛んだことが良くない」ということを伝えるようにしましょう。
対応のポイント
- すぐに「痛い!」と伝えて感情を表現する
- 噛んだ子どもには。冷静に説明し、適切な行動を促す
- 子ども同士の場合は、両者が安心できるように、大人が仲裁して感情の整理を手伝う
我が子の噛み癖、こうして治りました!
次男の噛み癖に悩んだ時期がありました。保育園で初めてのトラブルだったので戸惑いつつも真剣に向き合いました。
噛み癖がはじまったきっかけ
長男がふざけてママの鼻や指を噛むことがありました。それを見ていた次男が真似をしてふざけて長男を指を噛んだのが始まりです。
それ以降、家では噛むことがあまりなかったので、噛み癖というほど問題には思っていませんでした。しかし保育園から「お友だちは何もしていないのに、突然噛みました」「たまに噛むことがあり以前から困っています」ということを指摘されてしまったのです。
噛み癖が続いた理由
保育園からの説明では「噛んだ理由は特にない」ということでした。親としては理由がないのはおかしいだろうという気持ちでした。ちょうど言葉が出始めてきたところだったので、何か伝えたかったんだろうな、と察しました。保育園へ次男が噛んだ時の様子を詳しく聞き取ることに…。次男の性格や家での様子も振り返り、噛んだ理由を考えてみました。
噛んでしまった理由
- 一緒に遊んでほしいから
- 思い通りにならず怒ったから
噛んでしまった時の実際の対応
- 一緒に遊んでほしい時
- 長男とじゃれ合っている時や、笑顔で長男の方へダッシュしていく姿をみかけた時は注意して観察
- お口が開きそうになったら声をかける
- 「噛まないよ。遊んでほしい時はぎゅーってしようね」笑顔で
- 噛まずにいられたら褒める「噛まなかったね。」「ぎゅーってできたね」
- 噛んでしまったら「噛まない。噛んだら痛いよ。」真剣な顔で
- できなかったら3〜4をもう一度繰り返してみる
- 思い通りにならず怒った時
- 長男と同じ空間で遊び始めたら注意してみる
- 同じおもちゃで遊ぼうとしたら、近くでスタンバイ
- 「使いたい時は貸して、だよ。お兄ちゃんが使ってるよ」
- 「かして」が言えた、ジャスチャーで伝えられたら褒める
- できなかったときは3〜4を繰り返してみる
上手くいったポイントは3つです。
- できなかった時は冷静に無表情で叱る
- できた時は笑顔で大げさに褒める
- 保育園でも同じように対応できるように先生へお願いする
最初は怒られて泣いたり、ふざけ顔で逃げることが多かったです。根気よく続けることで徐々にできるようになってきました。
子どもの噛み癖で悩んでいる方へ
噛み癖は、感情表現や意思表示の一つです。お子さんが何を伝えたかったのか、どう感じているのかを観察することが大切です。噛み癖が続く場合でも、焦らず根気強く対応することで徐々に改善することがほとんどです。
もし噛み癖が続いたり、他の子に悪影響を与えていると感じた時は、保育園や専門家に相談しましょう。特に保育園とはしっかり話し合い、対応を統一することを心がけてみてください。周囲と協力しながら子どもの成長を見守っていきましょう。
まとめ
子どもの噛み癖は発達の一環としてよく見られる行動であり、必ずしも悪いものではありません。噛み癖が現れる背景には遊びたい、甘えたい、または感情をうまく伝えられないといった理由があります。大切なのは、噛んだ理由を理解し、冷静に対応することです。子どもが噛んでしまった時も、噛まれた時も、感情を適切に伝えあい、次回にどうすればよいのかを教えることで、少しずつ改善に繋がります。
噛み癖は一時的なことが多く、しっかりと対応していけば成長とともに自然と治まるケースがほとんどです。焦らず、保育園や地域の保健師など周囲のサポートを受けながら、子どもの成長を見守りましょう。