初めての出産は不安でいっぱいだと思います。妊娠がわかり、里帰り出産しようか悩む方も多いのではないでしょうか?この記事では筆者が考える里帰り出産しなくてよい理由と、自宅での出産をおすすめするメリットや実際に筆者が体験した時に思ったことをご紹介します。
目次
里帰り出産とは?
里帰り出産とは実家に帰省して、実家の近くで出産することです。帰省期間は人それぞれですが、産後は赤ちゃんとママが一緒に実家で過ごします。では、里帰り出産しようと思う理由は何でしょうか?
里帰り出産のメリットとは?
- 健診や陣痛の時に病院へ送り迎えしてくれる人がいる
- 実母が出産に立ち会える
- 食事の用意や家事をしてくれる人がいる
- 産後ゆっくり体を休めることができる
- 赤ちゃんのお世話に集中できる
- 子育て経験者が近くにいる
普段から実家でゆっくり過ごせる方はもっとたくさんのメリットがありそうです。しかし、里帰り出産しなくてもゆっくりと体を休める方法はあります。みんなが里帰り出産するべきというわけではないのです。
里帰り出産しなくてよい理由
1.公的制度を利用して乗り切ることができるから
妊娠期から出産後まで、住んでいる自治体にどんな支援制度があるかご存知でしょうか?「自分には関係なさそう」「申請が難しそう」といった理由で自治体の支援を知らずに生活している方も多いと思います。自治体では子育てをサポートするためにさまざまなサービスを提供しています。まず自治体の制度をフル活用することを考えてみましょう!
子育て支援の例
- 保健師等による産前・産後の面談事業
- 妊婦健診・産後健診・乳児健診の補助
- 妊婦健診タクシー費用助成事業
- 産後家事・育児支援事業
- 多胎児家庭支援事業
- ファミリーサポート事業
- 産後ケア事業
- オンライン相談サービス事業
- ベビーシッター利用支援事業
- 一時預かり支援事業
子育て支援は毎年度のように拡充が進んでいます。育児支援に使える制度を探してみましょう。ただし、内容や名称は自治体によって異なるので、詳しくはお住まいの役所やホームページで確認しましょう!
2.自分たちのペースで育児をすることができる
里帰り出産しない場合、妊娠期から産後までの期間、出産という大切なライフイベントをパートナーと共有することができます。退院後すぐに自宅へ赤ちゃんを迎え入れると次のようなメリットがあります。
産婦人科を決める時のメリット
- 妊娠初期から出産まで同じ先生(病院)に診てもらえる
- 自宅や勤務先から通いやすい産院を選ぶことができる
- パートナーが出産に立ち会える
- 入院中はパートナーがお見舞いに来てくれる
自宅育児する時のメリット
- 育児グッズを揃えた状態で赤ちゃんを迎えられる
- パートナーが新生児期の赤ちゃんと一緒にいられる
- パートナーと育児の悩みを共有できる
- 生活リズムや身の回りのものなど慣れた環境で育児できる
- 育児についてあれこれ言う人がいない
赤ちゃんのお世話をしながら、生活を整えていくことは大変ですが、1か月もすれば自分たちなりのやり方が定着していくことでしょう。
パートナーと相談しながら育児に奮闘することで、次第にママ・パパの意識が芽生えていきそうですね。
3.里帰り出産の準備と手続きが大変だから
里帰り出産の場合、ベビーグッズの準備をしたり、妊娠中や出産後の手続きを遠くから行ったりする必要があるため、通常よりもやることが増えます。では里帰り出産のためには具体的にどんな準備が必要でしょうか?
里帰り出産に必要な準備
- ベビーグッズを実家に揃える
- 妊娠中に着る服やマタニティグッズを自宅から実家へ持っていく
- 出産に必要な物品を実家に用意する
- 産後に着る服やケアグッズを実家に用意する
- 自宅に戻る前にいらないベビーグッズを処分する
- まだ使うベビーグッズを実家から自宅に移動させる
また、妊娠中から産後は自治体に申請する手続きが多いのも特徴です。
では妊娠中から産後ではどのような手続きがあるでしょうか?自治体や保健組合、職場などへの申請をまとめました。
妊娠・出産に関わる申請
- 産前産後育児休業届、育児休業の申請
- 妊婦のための支援給付1の申請(妊娠中:国からの5万円助成)
- 妊婦健診受診票の払い戻し申請(里帰りの場合のみ)
- 出産一時金、高額療養費の手続き
- 出生届の提出
- マイナンバーカードの申請
- 健康保険または国民保健の加入手続き
- 児童手当の申請
- 子ども医療証の申請
- 子ども医療費の払い戻し申請
- 出産手当金、育児休業給付金の申請
- 1ヶ月健診受診票の払い戻し申請(里帰りの場合のみ)
- 赤ちゃん訪問
- 妊婦のための支援給付2の申請(出産後:国からの5万円助成)
- 産後ケアの利用登録
- 産後ケア利用費の払い戻し申請(里帰りの場合のみ)
産前産後はとてもたくさんの手続きがあります。里帰り出産の場合は実際に滞在している場所と登録がある住所が異なため、これらの手続きに時間や手間がかかります。特に里帰り中は使えないサービスもあるので注意しましょう。
詳しい手続き内容や手続き方法、申請に必要な書類等は申請先に問い合わせてみましょう。
里帰り出産のデメリット
初めての出産は里帰りするものと思い込んでしまいがち。後悔しないために里帰り出産のデメリットもしっかり知っておきましょう。
- 出産までに途中で診てくれる病院・先生が変わる
- 赤ちゃんの新生児期にパートナーが子育てに参加できない
- パートナーに父親の感覚が芽生えるのに時間がかかる
- 里帰り中に使う自分の荷物とベビーグッズを揃えるのが大変(出産前後に引越しするようなもの)
- 里帰り中は妊婦健診票が使えない
- 里帰り中は産後ケアなど自治体サービスが使えない
- 母体や赤ちゃんに何かあったら里帰り先で入院しなければならない
- 実家の親が働いている場合は親に負担がかかる
- 育児に慣れた頃に自宅に戻り、また一から環境を整えて育児がスタートする
里帰りせず出産した方の声
十分な支援やサービスが受けられれば、里帰り出産しなくても育児していくことが可能です。では実際はどうなのでしょうか?
里帰りしなくてよかったことは?
- 自分のペースで育児できた!使い慣れた身の回りの物がそろっているし、ベビーグッズを買い足すことも思い通りにできた!
- 大変な時期を試行錯誤しながら夫と一緒に過ごせたのがよかった。夫婦で相談しながら育児できたので、仕事復帰もスムーズに。
里帰りしなくて大変だったことは?
- 夫の仕事復帰後に寝不足でつらい時期があった。赤ちゃんと二人きりの時間が怖かったけれど、産後ケアの2泊3日のショートステイを利用してリフレッシュできた!
- 食事の支度が大変。母乳育児だったので適当にすることもできず、産褥期は宅配弁当を頼んでしのいだ。
まとめ
今までは里帰り出産が当たり前のように考えられてきたところがありましたが、最近は里帰り出産せずに出産する方が増えています。十分な支援が受けられれば、里帰り出産する必要はないといえます。
里帰り出産は準備することも多く、さまざまなストレスを抱える可能性もあります。産後に赤ちゃんと一緒に住み慣れた自宅に戻れば、パートナーと協力しながら育児をしていくことができるでしょう。住んでいる自治体では様々な子育て支援が用意されているはずです。まずはそれらを利用することを検討してみてください!